家族に認知症の疑いがでてきたら

親にはいつまでも元気に過ごしてもらいたいと思うものです。

ですが、厚労省によれば65歳以上の高齢者の3人に1人が認知症になるそうです。

私の母もそのひとり。

そんなとき、どうすればいいのか途方に暮れてしまうと思います。

そんな方のお役に立てればと、自分の経験をもとにご紹介いたします。

1.変な事を言うようになったら

実家に行ったとき「この前インスタントコーヒーを持って行ったでしょ」と突然言われました。不在時、あるいは目を盗んで持って行ったと言われました。

なんでそのようなことを言うのかと、当然立腹してしまうし、訪ねるのを避けるようになりました。

これが、認知症の始まりだったようです。

ちょっと調べると「物忘れ外来」という診療がありますので、早めの受診をお勧めします。

このようなとき、当然、抵抗しますが、認知症とは言わずに「最近、忘れ事多いよね? 見てもらうだけ見てもらった安心でしょ 良い薬もあるみたいだし」と言って連れて行くのがいいと思います。

認知症の進行は遅らせることができるようなので、早ければ早いほどいいと思います。

2.認知症と診断されたら

「物忘れ外来」は、病院ですので医師の指示に従うのは当然として、それとは別に「地域包括支援センター」に、まずは本人を連れずに相談しに行くといいです。

自治体が委託して運営しているケースが多いようで、お金はかかりませんでした。

かなり立ち入った事まで聞かれますが、正直に答えた方がいいです。

私の場合は、地域包括相談支援センタの方が、何気なく自宅を訪ねてくれて本人と話をしてくれて認知症の状況と生活状況を把握してくれました。

同時に自治体へ「要支援」「要介護」の認定を受けるための手続きをしていただけました。

「要支援」「要介護」というと引いてしまう方もおられると思いますが、介護保険が適用できるかどうかという事です。お金に余裕がある方は、どうでもいいかもしれませんが、そうでない方は利用した方が絶対いいです。

「要支援」「要介護」の認定を受けるには、医師の診断書の他、面談もありました。

自治体によって違うかもしれませんが、希望日程は聞いてもらえますが平日の日勤帯のみでした。

仕事のある方は、なかなか大変ですが、当日本人が拒否すると面談を受けられんせんので、立ち合う方が良いので立ち合ってください。

しばらくすると、認定通知が届きます。

認定されてもされなくても、「地域包括支援センタ」に再度相談すると、今後の生活について、いくつかの選択肢を示してもらえると思います。

「要支援」以上の認定が出た場合は、「介護ステーション」を紹介してもらうことをお勧めします。

「介護ステーション」は沢山ありますが、当事者の生活や状態によってどこがベターなのか異なります。

なんと言っても「地域包括支援センタ」の方は、良く知っていらっしゃいますしので、その方にとってベストな「介護ステーション」を教えていただけると思います。

ここからは、費用が発生しますので、予算に合わせた選択をする必要があります。

負担できる費用についても「地域包括支援センタ」の方に正直にお話ししておくと、後々の進め方が効率よくできます。予算の関係や、「要支援」認定が出なかったなどで「介護ステーション」と契約しない場合は「地域包括支援センタ」の方が許す範囲で様子を確認していただけるようです。

3.介護ステーションと契約したら

介護ステーションと契約すると、担当のケアマネージャが決まります。

担当のケアマネージャは、定期的に訪ねて面談し、報告書を作成いただけるので、一人暮らしの場合、自分が離れて生活していても状況が確認できるのでとても助かります(私の場合、メールでも報告いただけていました)。

また、対象者の希望(体を動かしたいとか、外出したいとか大浴場のあるお風呂に入りたいなど様々)も聞きながら、様々なデイサービスを紹介していただけます。

「要介護」に認定されるときは、自力で一般の人とコミュニケーションをとるのは難しい場合が多いので、放置すると孤立し、認知症が進む恐れがあります。

なるべく利用するのがお勧めです。

ほとんどのデイサービスが、見学できるので本人と一緒に見学して気に入ったところにするといいです。

施設によるのかもしれませんが、当日キャンセルした場合でも費用負担が無いので、無駄な支出もないし、逆に迎えに来る前に電話してくれたり、出不精な高齢者を巧みに誘ってくれたりしていただけるので、一人暮らしでしたがほとんど参加できていました。

費用も保険の範囲内でできるようにケアマネージャが考えていただけるので、月に数千円だったと思います。(介護認定のランクやデイサービスの内容によって異なるので金額はまちまちなはずです)

4.一人暮らしが難しいと思ったら

契機は、火災を出しそうになったことでした。

鍋を火にかけたまま、スーパーに買い物に行ってしまったのです。

運よく、義理の妹が訪ね、煙に気付いたところ、丁度帰ってきて、二人で家に入り事なきを得ました。

これで、本人から高齢者施設を探して欲しいと言われ、探すことになりました。

高齢者施設に自分から行く人は、超高級なところやリゾート地の施設に入る人以外は、あまりいないと思うので、その気になった時がチャンスです。

いつその気になるかはわかりません。

有料の高齢者施設となると、一時金などもあり簡単に入り直しはできません。

それなりに時間をかけて探した方が納得感もでるので、予め探しておくことをお勧めします。

ちなみに、公共施設である「特別養護老人ホーム」の入居基準は「要介護3」以上です。

個人的には「要介護3」の認定を受けるまで、一人暮らしを続けるのはなかなか難しいと思います(例外はあると思います)。

5.有料高齢者施設の選び方

有料高齢者施設を調べようと思うと、種類が沢山あって迷ってしまうかと思います。

ただ、認知症で介護認定されていて、一人暮らしが難しくなった場合ですと、そんなに選択肢がありません。

詳しいサイトがいくらでもあると思いますので、ここでは端的に説明させていただきます。

まず、選択肢として「認知症受け入れ可」「看取り可」の施設を選ぶ必要があります。

「看取り」までは不要と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、急に悪化してしまって行くところが無くなってしまうことは避けなければなりません。

治療が必要な患者であれば病院に入院できますが、治療できなくなる(回復の見込みが無い)と行先は限られてしまい空きもなく遠隔地になる可能性もあります。

特別養護老人ホームは、費用の面では安くて「看取り」も可能ですが、一時期ほどではないとはいえいつでも都合の良い施設に入居できる訳ではないようです。

また、怪我や病気になったとき、私たちが駆けつける前に、施設が病院まで連れて行ってくれるかも重要です。

もちろん手術など家族の同意書が必要なものは、無理ですが救急車も含め病院まで連れて行ってもらえるだけで少なくても最低限の治療は進めてもらえますので安心感が違うと思います。

あと、今になっては新型コロナの対応がどうだったかも確認した方がいいです。

面会を禁止した施設も多いですが、その結果、認知症の進行や運動機能の低下が発生したケースも多いと聞いています。

新型コロナ感染も施設としてのインパクトが大きかったので避けなければならなかったのは事実と思いますが、認知症が進んだり運動機能が低下して生きる意欲をなくしたりするのも同じくらい避けなくてはならないという考え方も個人的には評価できました。

母が入居している施設は、施設長の判断で、1家族ずつ人数制限、頻度制限、飲食禁止、マスク必須などルールは多かったですが、玄関横の1部屋を面会室として面会させてもらえていました。

これは、とてもありがたかったです。

こういったことから、施設選びは、見学して施設長などとお話をすることをお勧めします。

後日になりますが、ご参考までに、わたしが選択時に見学した施設をこのサイトから見れるようにしたいと思います。

費用の高額なところは、ホテルのように施設がきれいで新しかったりしますが、長期になることも考え予算と相談することも大切と思います。また、個人的には、スタッフの意識、施設長の考え方を重視した方が良いと思います。

訪問する我々が、行くのもためらうような施設ではさすがに困りますが、入居する本人の「介護度」が進んでいると、立派なスポーツクラブのようなマシーンや、温泉のような大浴場は利用できないでしょうし、繁華街や駅に近いなど立地が良くても本人は自力で外出できないので高いばかりでメリットが無い場合もあると思います。

6.まとめ

  • 認知症の疑いがあれば早めに物忘れ外来を受診
  • 認知症と診断されたら地域包括支援センターに相談
  • 介護認定されたら介護ステーションに相談
  • 高齢者施設は早めに見学
  • 高齢者施設は、必要なところに費用をかける

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